2008年07月05日

ウェザーの音楽が一瞬、色褪せて感じてしまうかもしれない。これを聴けば。

ザヴィヌル・シンジケート、1997年の5月と11月に、
ドイツでのライブを記録したものが、本アルバム、『ワールド・ツアー』だ。

まるで、万華鏡のような色彩感と、
圧倒的なグルーヴ感に打ちのめされる。

まさに、音の魔術師ザヴィヌルの面目躍如。

と同時に、このバンドとしての一体感には目を見張るものがある。

特に、ベースのリチャード・ボナが大活躍。
ベースにしろ、民族色の強いヴォーカルも、少なくとも、ボナのソロ名義での演奏よりは、こちらのほうが良いと私は感じる。

くわえて、スケールの大きなリズムを放出するパコ・セリーのドラミングも凄い。
彼はアフリカの象牙海岸のアビジャン出身で、パリ在住のドラマー。

細やかなテクニックサポートも際立つが、
全体的に感じさせる、巨大な波のようにうねるリズム感覚と、レッドゾーンを軽く振りきったスピード感あふれるドラミングは、バンドのアンサンブルをより一層スケールの大きなものにしている。

まるでおとぎ話の世界にまぎれこんだように甘美でドリーミーなスローテンポから、一気に大興奮の高速ビートの演奏にチェンジする《スリー・ポストカーズ》が、個人的にはお気に入り

アルバムの冒頭を優美に飾り、かつ、一気にザヴィヌルの世界に引きずりこむ役割を果たすこの曲は、まさにこのアルバムの顔といえるだろう。

また、アフリカの民族色の強いヴォーカルやカリンバに、
ヴォコーダーを通したザヴィヌルのヴォーカルが絡む《ザンサ》の心地よさは、極上のリラクゼーションサウンドだ。

快楽、悦楽、スケールの大きなサウンドを
圧倒的なボリュームで楽しめる、この『ワールド・ツアー』。

これを聴いた後にウェザー・リポートを聴くと、
ウェザーの音が色褪せて感じてしまうほど、
強力に充実した1枚だ。






●アルバム
WORLD TOUR



●レーベル

Zebra



●ミュージシャン

Joe Zawinul & The Zawinul Syndicate



●収録曲

-disk 1-
 Patriots
 Sunday Morning/Sunday Evening
 Indiscretions
 As Trabajamos
 Bimoya
 Zansa II
 Bona Fortuna
 N'Awlins


-disk 2-
 Lost Tribes
 Three Postcards
 Slivovitz Trail
 When There Was Royalty
 Success
 Two Lines
 Caribbean Anecdotes
 Carnavalito



●パーソネル

Joe Zawinul (key,vocooder,p)
Gary Paulson (g)
Victor Bailey (b)
Richard Bona (b,vocal)
Paco Sery (ds,kalimba,vo)
Manolo Badrena (per,vo,nolopipe)


●録音

1997年5月,11月


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posted by 雲 at 16:32| Comment(8) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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